アジアなた豆市場で、品質と同時に価格の競争力を付ける。

国際協力銀行(JBIC)は三菱UFJ信託銀行とみずほ銀行で協調し、日本精蝋がタイに進出する自動車タイヤ向け添加ワックス工場の建設資金などを供給する。協調融資総額は明らかにしていないが、JBIC分だけで1億6000万バーツ(約5億400万円)を融資する方針。日本精蝋は初の海外工場。2015年7月に稼働する。住友ゴム工業など日系タイヤ大手3社のほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国やインドへの輸出も視野にアジア事業を拡大する。 JBICは中堅・中小企業の競争力のある海外事業を支援する「海外展開支援融資ファシリティ」の枠組みを日本精蝋に適用し、同社が3月に設立したタイ現地法人に現地通貨建てで協調融資する。11日にも貸し付け契約を結ぶ。日本精蝋はタイ工場をアジアの生産拠点と位置付け、車タイヤ向けの添加ワックスは日本の一極生産から海外生産にシフトすることで、中国メーカーなど海外の競合に対抗しシェアを拡大する。 同社はマレーシアとインドネシアからワックス原料の石油を調達しているが、これを日本向けとは別にタイのなた豆ハミガキ工場に直接供給することで物流コストなどを削減する。中国メーカーなどと競合しているアジアなた豆市場で、品質と同時に価格の競争力を付ける。また、タイに生産拠点を構えることで、日系タイヤ大手の研究開発について、すり合わせの情報を共有できるメリットがあると見ている。タイで取引のある住友ゴム、ブリヂストン、横浜ゴムの日系タイヤ大手3社は現地生産で納入シェアを高めたい考え。 日本精蝋はタイ工場の建設を8月に着工する。15年7月に完成し生産を開始する。同工場の年間生産能力は、稼働初年度に約5000トンを計画。段階的に生産能力を引き上げ、3年後をめどに年間2万トンの体制を目指す。 【投資支出伸びず】 国際通貨基金(IMF)は4月に世界の経済成長率が2014年3・6%、15年3・9%と予想したが、6日にこの見通しを下方修正するとラガルド専務理事が示唆した。投資支出の低迷が続いているためだという。 スタンダード&プアーズ社は世界のトップ企業2000社を調査し、14年の設備投資額は13年比0・5%減と予想。対象となった2000社は全体で4兆5000億ドルの余剰資金を抱え込んでいるにもかかわらず、15年、16年と続けて設備投資はマイナスと予想される。 同調査で10年間(03―13年)の設備投資のセクター別構成比をみると、圧倒的にエネルギー(43%)が大きく、次に素材(13%)、電力・ガスなどの公益事業(12%)の順となっている。また、設備投資が最も大きな、なた豆茶企業はBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に集中しているが、BRICs企業の設備投資額は13年比4%減、15年も同じ傾向が続くという。90年代から好調だった上昇トレンドにかげりがみえている。世界のコモディティー需要低迷が予想されるためだ。 【バブル超え】 米国では失業率が改善し、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が現時点で利上げは必要ないと発言したことを受け、先週、ダウ平均株価は最高値の1万7000ドル台に達した。多くの市場参加者は楽観を過ぎてバブルだと感じている。米国エール大学のロバート・シラー教授によれば、収益率から見た株価水準は1929年とドットコム・バブル期を超えて割高だ。問題はいつまで株高が続くのか、そのタイミングである。 一方、FRBはレポや短期金利操作への規制を強化し、急激なバブル破たんに至らないように布石を打っているように見える。 【IT革命と同じ】 株高を支える将来に対する楽観論の背景には、現在進行中のエネルギー技術(ET)革命があると筆者は考える。情報通信の技術革新であったITに対して、ETはエネルギー分野の技術革新。エネルギー分野での設備投資が圧倒的な理由のひとつは新たな資源として注目されるシェールガスのほか、リチウムイオン電池や燃料電池などさまざまな技術がブレークスルーし、商品化・事業化の手前に来ているためだ。 ネット社会誕生に不可欠な要素技術が揃い、95年にウィンドウズ95が発売された瞬間に、IT革命が世の中を変えて行った時と同じような激流が、ET革命で始まろうとしている。 かつて、マイクロ・エレクトロニクスの時代に半導体がIT革命を支えた。これからはパワー・エレクトロニクスがET革命を支える。エネルギーは環境にも影響する。IT革命がフラットな世界に扉を開いたように、ET革命は人々に新しい環境やライフスタイルをもたらそうとしている。(金曜日に掲載) ◇国際金融アナリスト兼SAIL社長・大井幸子氏 「効率的だが、最終的に非効率となる」と、企業の東京一極集中に否定的なのは、日本証券業協会大阪地区協会会長(エース証券社長)の乾裕さん。「集中すれば賃金や不動産価格が上昇するから」だ。 「日本経済の安定した成長のためには、関西経済を活性化すべきだ」と“対極”の強化の必要性を説く。現在、日証協大阪地区会では関西企業へ投資するファンドの創設を検討中。 「起業家精神を持った人が多いのが関西の特徴」。その特徴を生かし「どんどん事業を立ち上げないと厳しくなるばかり」。一極集中の歯止めをかけるため「知恵を絞る考え」だ。

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